A. 普段は精神科医として病院で働いております。ベースとしては、精神分析的(精神力動的)な考え方と瞑想のテクニックに基づいて相談に乗らせていただくことが多いです。いずれも、人間の根本的な心の仕組みを重視して、生きることや生きる苦しみを深く見つめていく領域です。
Q. 相談してはいけないこと、相談できないことはありますか?
A. 初めて専門家に相談する方は、こんなことを相談して良いのだろうかと悩まれる方が多いです。でも相談してはいけないことはありません。ここは病院ではないので、病気か、病気でないかも関係ありません。もしご相談に乗ることが困難な内容であれば、こちらからそのようにお伝えしますので、遠慮なく相談してみて欲しいです。
Q. カウンセリングにはどのような効果がありますか?
A. カウンセリングには、悩みや症状を一瞬で消し去ってくれるような即効性はありません。むしろ、地道に取り組んでいく過程そのものが大切になります。
私たちが抱えている悩みの多くは、頭や心の中で曖昧なまま、言葉になっていないことが多いです。一人で考え込んでいるだけでは、なかなか言語化されません。ところが、カウンセラーの前で「言葉にして伝えよう」とすると、不思議と形を持ち始めます。そして、その言葉をカウンセラーが受け止め、改めて言葉で返すことで、自分でも思っていなかった角度から悩みを見つめ直すことができます。そうしたやりとりを通じて、さらに深い言語化が進み、ご自身の中に新たな発見や気づきが生まれていきます。
この言語化のプロセスは、一進一退を繰り返しながら少しずつ積み重なっていきます。そのため変化はゆっくりですが、しばらく経って振り返ると「確かに自分は変わった」と実感できることが多いです。